“You Tube”で見るブラジル系ギタリストの貴重映像
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ここでは、今話題の無料動画サイト“You Tube”から、
おもにブラジル人ギタリストがソロ演奏やギター弾き語り
の映像を紹介してみたいと思う。
ボサ・ノバ全盛時代のバーデン・パウエルやジョアン・ジルベルトの
映像がふんだんにあり、中には「こんなものも弾いていたのか」と、
思うような映像もある。
私自身、ビデオは好きでブラジルへ行ったおりにはビデオ屋は勿論、
評論家や関係者、はては出来る場合は本人のところまで
出向いて映像を集めていたが、まったくどこからこんな映像を探してきたのか?
と、驚くような貴重な映像もある。
では、余計かも知れないが、私なりのコメントを付けておくので
参考にしながら映像を見てみよう。
★ Baden Powell バーデン・パウエル (1937〜2000)
ブラジルの音楽家、ボサノバ・ギター奏者、作曲家。リオデジャネイロ州のバ−レ・エ・サイで生まれる。名前は、ボーイスカウトの創始者、ロバート・ベーデン・パウエル卿からとられた。彼はピアニストであるフィリップ・バーデン・パウエル・ヂ・アキーノと、ギタリストのルイス・マーセル・パウエル・ヂ・アキーノの父である。
非常に技巧的なギター演奏をするギターの巨匠として知られており、特に、ヴィニシウス・ヂ・モライスとの共作であるアルバムアフロ・サンバなどの作品で知られる。
生涯
父親は靴屋であり、チューバ奏者であった。バーデンにはバイオリンを習わせていたが、4歳の頃、自らの意思でギターに転向。8歳の頃から正統派ブラジル古典音楽の教育を受け始める。10代の頃は、エスコーラ・ヂ・サンバ「エスタサォン・プリメイラ・チ・マンゲイラ」に所属し、また15歳でナイト・クラブで演奏を始めたりと、ギタリストとしての腕を上げていく。
19歳で作曲したサンバ・トリスチ(Samba Triste)がヒットし、一躍有名となる。アントニオ・カルロス・ジョビンなど多くのボサノバ・アーティストたちとクラブでの共演を行っていた24際の頃、ヴィニシウス・ヂ・モライスと出会い、その後アルバムアフロ・サンバや映画「男と女」のサウンドトラックの製作などで共作を持つ。70年代にはヨーロッパに活動の拠点を移し、ボサノバの範疇に納まらない独自の奏法を追求し、主にギター奏者として活躍する。
2000年9月26日に肺炎の為にリオデジャネイロで死去。
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* Samba Triste (悲しみのサンバ)
バーテンの代表作だが、ここではベースとドラムスを加えたトリオで演奏している。
まだ20才台位の時の演奏かと思われる。リズム感、ギターのキレ、躍動感どれを
とっても一級品だ。若々しい中にも完成された芸術を感じさせ、素晴らしい演奏
を聴かせている。
* Prelude in A minor (イ短調の前奏曲)
撮影年は不明だが、1990年前後かと思われる。ポーランドでのコンサートからの
演奏らしい。曲自体は古くからバーデンのオリジナル曲でしばしば演奏していた。
私も高校時代(1970年頃)バーデンが来日したおり出演した日本のテレビでこの
曲を演奏していたのを覚えている。
* Samba Triste (悲しみのサンバ)
これはブラジルのTV局の“TV CULTURA”と呼ばれる云わば日本の教育テレビ
のようなチャンネルで1990年に放送したバーデンの特集番組からのものである。
ブラジルではDVDとして発売されている。ここではギターの弾き語りでやっている。
この局はカメラ・ワークが悪いので有名である。
▼上記の“TV CULTURA”のDVDから数曲あるが、似たようなものなのでここでは
割愛する。また、日本でも出ているピエール・バルーの“SARAVA”から何曲か
「You Tube」で見ることが出来る。まだ見たことのない方は参考にして下さい。
★Sebastiao Tabajos セバスチャン・タパジョス(1944〜 )
ブラジル・ギター界でバーデンやノゲイラ、ボンファなきあとの巨匠格と言ったらこの人だろう。出身はブラジル北東部のサンタレン。もともとクラシック・ギターはイザイアス・サビオについて学んだが、ブラジルの沸きあがるリズム感とハーモニーが彼の音楽の根底にある。LP時代を含めると通算100枚にも迫るレコード、CDを出しているが、DVDが発売されたと言う話は聞かない。何でも最近はリオを離れて田舎に住んで居るらしい。
* Carimbo (カリンボ)
この曲はタパジョスのオリジナルで、ギターの特殊奏法タンボーラがふんだんに使用されているなかなかシャレた作品である。カリンボとは「踊り」の事で、撮影年代はよくわからないけど、まあ現在の太り方から逆算すると20年ぐらい前のものかと思う。
* EBULLICAO (エブリサゥン?)
表題の意味は私にはよくわからないが、この曲もタパジョスのオリジナルかと思う。なかなか凝った練習曲風の曲だ。画面を見てわかると思うけど、手の指が非常に柔らかいのを感じる。まさにギターを弾くために生まれてきたような人だ。
* IGARAPES (イガラペース)
こういう曲は彼の生まれ故郷のブラジル北東部のリズム、バイヨンやマシーシなどに近くまさに手の内と言った演奏だ。この曲は、私が15年前彼からもらった「ブラジル北東部の風景」という表題のLに入っていたもので、なつかしい想いがした。
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★ Paulinho Nogueira パウリーニョ・ノゲイラ (1929〜2003)
パウリーニョ・ノゲイラはクラシック・ギターをイザイアス・サビオに学んだ。父親もよくギターが好きで弾いていたらしい。1967年度のブラジルのベスト・ミュージシャンに輝いている。バーデンやボンファと同世代であった。主にサン・パウロで活動していたが、しゃれたサンバやボサ・ノバの曲も多数書いている。弟子には現代ブラジルで最も有名なギタリスト兼歌手のトッキーニョがいる。
* Aria na quarta cordas (G線上のアリア)
これはノゲイラの教則ビデオからの映像である。他にもビデオでは彼のオリジナル曲やラテンの曲などもやっているが、と゜れも素晴らしい演奏である。彼は通常のナイロン弦ギターのほかスチール弦の特注ギターも弾いていた。ここでは、タカミネと思われるナイロン弦のエレアコを弾いている。ややスイングするバッハの名曲である。
* Bachianinha No1 (小バッハ第1番)
ノゲイラを代表するギターソロの傑作。ショーロのリズムにのりながらバッハのエスプリを感じさせ、いわばモダン・バロックのような境地を開拓した。これに刺激を受けたのかバーデンもバッハ風のインベンションを書いている。撮影は彼のサンパウロの自室で1988年あたりらしい。
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★ Joao Gilberto ジョアン・ジルベルト (1931〜 )
日本ではボサ・ノバの神様だ、なんて呼ばれているがボサ・ノバはジョビンとジョアンなくしては生まれなかったかも知れない。ジョアン・ジルベルトはもともとはサンバの故郷・バイアの出身で、バーデンのようにリオで生まれながらアフロ系のサンバを得意とするのと似て、アフロ系サンバの故郷に生まれながらモダンなリオ生まれのボサ・ノバを広めたわけだ。でも、ジョアンの中にサンバがあったからこそモダンなリオの音楽としてボサ・ノバが生まれたとも言える。ともかく彼の演奏は一言でボサ・ノバと言えるほど単純ではない。最近立て続けに日本へ来たけれど、ボサ・ノバを演奏して高いギャラが取れるのはもう日本ぐらいしかないからだろう。でも、私には彼の演奏が歳と共に磨きがかかってきたように思う。若いころの声より私は今の方が好きである。昔に比べキーが低くテンポが遅くなっているようだけど、その方が、かえってボサ・ノバのけだるさがあって聞き手に深い感慨を与える。そして決して大声は出さず、囁くようなヴォーカル、練りに練ったコード・ワーク、歌と伴奏を揺らせるテクニックなど、まさに神業の域に入ったようだ。では、私がこれは珍しいと思う映像を“You Tube”から選んでみたので一緒に見ていきましょう。
* Um abraco no Bonfa (ボンファに捧ぐ)
ボサ・ノバ草創期のギターソロ曲だが、ここではモントルージャズ・フェスティバルの時の映像らしい。昔のコード・ワークに多少アレンジを加えている。まったくジョアンのボーカルを取るとこういう感じの伴奏ですよ、と言っているような演奏である。もともとはギタリストであったためギターソロも「お手の物」と言った感じで素晴らしい演奏だ。
* Carinhoso (カリニョーゾ)
ブラジルでこの曲を知らなかったらもぐりである。サックスとショーロにたくさんの名曲を残したピシンギーニャの最高傑作。私もジョアン・ジルベルトのDVDは3枚あるが、こんなポピュラーな曲を演奏していたのは初めて見た。非常に難解なコード・ワークを使って、この誰でも知っているメロディを崩すことなく演奏しているのは彼の人並みはずれた技量によるものであろう。
* Samba do Aviao (ジェット機のサンバ)
おなじみジョビンのの代表作だが、ジョアンがこの曲を演奏するのは珍しい。2004年に日本へ来た時も全コンサートの中で歌ったのは一回だけである。また、この映像で面白いのは、おそらく終演後かと思うがタクシーの中でバルボーサの古いサンバを陽気に誰かと歌っているところだ。こういうどサンバを歌う時の声が彼の地声だ。ボサ・ノバの声と違うところが面白い。
▼まあこの他にも“You Tube”にはジョア・ンジルベのルト映像はふんだんにあるので、ボサ・ノバ好きや、ボサ・ノバギターを勉強している方は是非参考にしていただきたいと思う。特にクラシック系のギターしか知らない方は、この機会にボサ・ノバを通してリズム感とハーモニーの感覚を磨いて、さらにヴォーカルまでやってみてはいかがでしょうか。
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